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外国人移住者のための日本の年末調整ガイド

Tags: 年末調整, 税金, 手続き, 外国人, 会社員

年末調整とは何か

日本で会社に勤めている方、特に給与を受け取っている多くの方は、「年末調整」という手続きを行う必要があります。年末調整は、給与から毎月天引きされている所得税(源泉所得税と呼ばれます)を、1年間の正確な収入と控除額に基づいて再計算し、本来納めるべき税額との差額を調整する手続きです。

これにより、税金を払いすぎていた場合は還付(返金)が行われ、足りなかった場合は追加で徴収されます。会社員の場合、通常はこの年末調整によって納税が完了するため、原則として確定申告を行う必要はありません。

なぜ年末調整が必要なのか

日本の所得税は、個人の1年間の所得に対して課税されます。しかし、毎月の給与から天引きされる源泉所得税額は、概算で計算されています。扶養家族の状況や加入している生命保険、地震保険などの情報が反映されていないためです。

年末調整は、これらの「控除」(税金計算の対象となる所得から差し引くことができる金額)を反映させることで、税負担を軽減し、正確な納税額を確定させるために行われます。外国人移住者の方も、日本人と同様にこの手続きが必要です。

年末調整の対象となる方

原則として、以下の条件を満たす方が年末調整の対象となります。

ただし、年収が2,000万円を超える方など、年末調整の対象とならないケースもあります。ご自身の状況について不明な点がある場合は、会社の経理担当者などに確認することをお勧めします。

年末調整で考慮される主な控除

年末調整では、所得から差し引くことができる様々な「所得控除」や、税金から直接差し引くことができる「税額控除」が考慮されます。これにより、最終的な税額が計算されます。代表的な控除には以下のようなものがあります。

これらの控除を受けるためには、会社から渡される申告書に記入し、必要な証明書類(生命保険料控除証明書など)を添付して提出する必要があります。

年末調整の手続きの流れと提出書類

年末調整は、通常、会社の指示に従って行います。一般的な流れと必要な書類は以下の通りです。

  1. 会社から年末調整に関する書類を受け取る: 例年、10月下旬から11月にかけて、会社から年末調整に必要な書類が配られます。主な書類は「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と「給与所得者の保険料控除申告書」などです。
  2. 必要事項を記入する: 受け取った書類に、氏名、住所、マイナンバーなどの基本情報に加え、扶養家族の情報や支払った生命保険料、地震保険料などの金額を記入します。
  3. 控除証明書類を添付する: 生命保険会社や損害保険会社から送られてくる控除証明書、iDeCoの掛金証明書などを申告書に添付します。日本国外に住む扶養親族がいる場合は、親族関係書類や送金関係書類などが必要になります。
  4. 会社に提出する: 記入済みの申告書と添付書類を、会社の指定する期限までに提出します。通常は11月から12月にかけて提出が求められます。

よくある疑問点

まとめ

年末調整は、日本の所得税を正しく計算し納税を完了するために、会社員にとって非常に重要な手続きです。必要な書類を漏れなく準備し、正確に記入して会社の指定する期限までに提出することが大切です。

もし手続きの中で不明な点があれば、会社の経理担当部署に質問してください。正確な情報を得ることで、安心して手続きを進めることができます。

本記事で解説した情報は一般的なものになります。個別の状況によって必要な手続きや提出書類が異なる場合がありますのでご注意ください。